「バンコクは日本食レストランも多いし、東京とほとんど変わらないでしょ?ここは東京24区って言われているからね」
バンコクに来てすぐの頃、日本食居酒屋でビールを片手に、たびたび上司や先輩からこんなことを言われた。
「いや、全然違うんですけど!(良い意味で)」と思いながらも、「たしかに~」と答えていたのだが、実際どうなのだろうか。
日本人駐在者が多く住むスクンビット通り沿い、特にプロンポンやアソーク駅周辺は高層ビルが立ち並び、ハイブランドの入居する華やかなショッピングセンターがそこかしこで輝きを放っている。日本から訪ねてくる友人も、「タイのイメージ変わった!」と言ってくれる人も多い。
だけど、それは本当に一部分だけだ。
少し通りに入ると、リヤカー式の屋台で串焼きやフライドチキン、ヌードルを売っている商人がそこかしこにいるし、道の上に広げられたお世辞にもきれいとは言えない簡易的な椅子に腰を下ろして、こちらもきちんと洗っているかは相当怪しいプラスチックの皿に盛られた屋台飯をおいしそうに頬張っている。
空を見上げると、東南アジアの風物詩ともいえる黒々と絡まりあってとぐろを巻いている電線が今にも落ちてきそうな状態でぶら下がっているし、道路に目を落とせば大きなネズミを目撃したのも数知れずだ。
というわけで、さすがに東京24区は言い過ぎなんじゃないか、というのが私の見方である。
でも、それも含めて、このバンコクという町が好きだ。
さて、そんな風に思っているさなか、面白い記事を見かけた。
タイの人口7,160万人のうち、
バンコク及び首都圏に住む人口はたったの20%。1,400万人程度。
残りの80%、5,700万人は地方に住む農業従事者だそう。
月収としてお給料をもらっているタイ人は、首都圏に住む20%だけ。
地方に住む農業従事者は、年に数回入ってくるまとまった収入をやりくりしているそうだ。
首都圏に住む人たちの内訳は、
富裕層・・・100万人(1%)
上流層・・・247万人(3.8%)※月収50,000THB以上(20万円程度)
中流層・・・1,046万人(16.1%)※月収20,00THB以上(8万円程度)
といった具合。
そして、人口の半数は月収換算で10,000THB以下(4万円程度)で暮らしている農業従事者だそうだ。
私が見ているバンコクという町はタイの中でも非常に特殊だ、ということを思い知った。バンコクだけを見て、タイを知った気になっちゃいけないね。
残り半年、もっとタイに向き合っていくぞ!